人生を科学する日記

僕は科学的に証明されたものしか信じない

サラリーマンは負け組なのか(1)

学生の時から最近まで数年の間、

サラリーマンは人生の負け組だと思っていた。

 

なぜだろうか。

おそらく、僕の学生時代にまで遡る必要がある。

 

当時、大学に通学する電車内で、疲れきったサラリーマンの顔を

イヤというほど見てきた。

 

「この人達は何が楽しくて生きているんだろう」

「そんなに辛いのなら辞めればいいのに」

 

いまとなっては謝りたいが、

当時はサラリーマンの横顔を見ながらそう思っていた。

 

大学3年生になった途端、僕の周りはいわゆる就職活動と

いうものに精を出していた。

茶髪にピアスでちゃらちゃらしていた友人が、

髪を黒く染め、真っ黒なリクルートスーツに身を包み、

難しそうな顔をして会社説明会を回っていたのを覚えている。

 

電車内にいるサラリーマンと同じ顔をしている。

「本当は黒髪になんてしたくないだろう」

「なんでみんなこの暑い時期にスーツなんか着てるのか」

 

やつれていく友人を見ながら僕は、

就職なんてしたくないと思った。

 

大学でほとんどの友人がスーツを着ている中、

一人だけ変わらず私服でいるのでそれはそれは目立つ。

で、やはり類は友を呼ぶのは本当みたいで、

就職なんてしたくないよね、という人間が僕の周りに

どんどん集まってきた。

 

その中に、大学1年のころからなかよくしている友人もいた。

そいつとは境遇が似ていて、同じ時期に留学し、同じ時期に

帰国していたので、自然に大学で一緒に過ごす時間も長くなっていた。

お互い留学先の国が違ったが、価値観など共鳴する部分も多々あり、

とても良い関係だったと思う。

 

ただ、やはりお互い卒業を控えた大学生という身分なので、

どうしても卒業後どうするみたいな話もせざるを得なかった。

 

就職はしたくないが、生きていかなければならない。

社会に価値を生み出し、かつ自分たちが食っていけるような

ものはないのだろうか。

その友人と話していた時、本当に安直だがやはり「英語」だろうと

いう結論に至った。

お互いに留学した経験を持っており、持ち合わせる共通スキルが

英語だった。

 

そう、僕は友人と起業を目指すことになった。

 

当時、ちょうど学生起業家みたいな人達がちらほらと

出始めていた時期で、起業=かっこいい、みたいな風潮が

なんとなく流れていた。

そのビッグウェーブに僕も乗ろうとしたのだ。

 

就職なんかクソくらえだ。

起業して成功するんだ。

リクルートスーツに身を包んだ友人を横目で見ながら、

大学生の一世一代の挑戦が始まった。

 

〜次回に続く〜